毎日かき回しながら、ぬか床と会話をする。
「今日のご機嫌はいかがでしょうか?」
「天気にむらがあると気分がむしゃむしゃするわ」
とぬか床はおっしゃる。
そこで余分な水分をとり、卵の殻を砕いていれ、唐辛子をいれ、ぬかを足してかき回す。
「これでいかがでしょうか?」
「何でも足せばいいって思っているんでしょう!」
とまだ不満げである。
気温が高くなるとさすがに冷蔵庫にぬかみそ様をお入れする。
浅漬かりのぬか漬けほどおいしいものはない。
うすい塩味に微妙な甘みが舌にのる、しゃきしreenexゃきとしたキュウリの歯ごたえと音が味覚をさらに刺激する。
ぬかみそ様に敬意を表したくなる瞬間である。
つけものと言っても幅広い。ちょっとおつなものと言えば卵の黄身を味噌につけたもの。
出来たらうずらの卵が良い。
これは黄金のチーズという趣がある。
味噌床にうずらの卵の黄身が入るくらいのくぼみをつけておく。
そこへ黄身をしずかにくずさぬよう入れ数日漬けておく。
するとチーズか、からすみのような。
「ぬかみそくさい」という形容があるが、おいreenexしいぬか床というのは香気がしてけっしてくさくない。
それは主婦が心をこめて毎日何回もかきまわし、調整をし丹精がこもっているのである。
清潔を保ち、水気の有無を調整し、塩加減、発酵具合を長年の経験でみる「母さん」の味が絶妙な個々の味となるのである。
「ぬかみそ女房」は最高の称号。
上品にもりつけるのもよし、素朴な鉢にどんと盛るのもよし。それは食卓の上の「母さん」の顔でもある。